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精密加工の設計におけるオーバースペックによるコストアップ

精密加工における品質

 精密加工における品質を表すとどのようなことになるでしょうか。JISでは「本来備わっている特性の集まりが要求事項を満たす程度」とされています。言い換えると、製品が要求仕様をどれだけ満たしているかの度合いが「品質」ということになります。要求仕様を決めるのは顧客になるので、最終的に品質の良し悪しを判断するのも顧客ということになります。つまり、品質とは「顧客満足の度合い」であると言う事ができます。

精密加工が必要とされる用途

設計者が求められる最適な設計

 部品を製造するとなった際に、現場作業者は設計図面に従って材料を加工します。そのため、顧客の仕様を確認している設計者がかいた図面が一連の部品を完成するまでの工程を決定すると言っても過言ではありません。加工の現場では設計者の図面以外には顧客の仕様を判断することができないため、設計図面に従って加工するしか選択の余地がないのです。仮に、設計者が必要以上に加工精度を図面に記載すれば、加工現場ではその精度を出すために段取りから条件出しを実施することとなります。顧客から求められている仕様以上の精度を設計者が図面に記載したとしても、加工現場ではそれが不必要とは判断する術がないのです。
当然求める加工精度が上がれば、部品加工の工数がかかり製造コストも高くなります。また、精度以外にも設計者は加工における工程設計を理解した上で、顧客が求める機能を満たす図面をかくことが求められます。一部の加工現場では必要以上のオーバースペックによる加工コストの増大が問題となり、製品の市場での価格競争力を弱める原因となっています。

設計者は顧客の品質要求を満たした上で、最適な図面をかくことが求められます。
必要以上のスペックを図面に記載すれば、加工工数がかかりコストアップの要因となります。市場での価格競争力を高めるためにも、最適な品質の設計が必要とされます。

精密加工とは